ヨガブロックは、ポーズを難しくする道具ではありません。むしろ、床に手が届かない、姿勢が苦しい、膝や腰に余計な力が入りそうなときに、体と床の距離を埋めてくれる補助道具です。
私も最初は、ヨガブロックを「上級者が使う小物」だと思っていました。けれど実際には、床まで手を伸ばすより先に高さを作ったほうが、動きに集中しやすいと感じました。無理に床へ手を伸ばすより、ブロックに手を置いたほうが、ポーズの形を追いかけずに済みます。
ヨガは、完成形に近づくことだけが目的ではありません。今の体に合わせて姿勢を調整することも大切です。この記事では、ヨガブロックの基本の使い方、置き方、素材とサイズの選び方、初心者が使いやすい場面をまとめます。
目次
ヨガブロックは床との距離を埋める道具
ヨガブロックの役割は、手やお尻、背中の下に置いて、体を支えやすくすることです。床に手が届かないとき、無理に体を倒すのではなく、ブロックを高くして手を置きます。すると、床へ届かせることより姿勢の安定に意識を向けやすくなります。
ヨガ初心者ほど、「手が床につかないからできていない」と感じやすいです。でも、床に触れることより、呼吸を止めずに姿勢を保てることのほうが大事です。私はブロックを使い始めてから、前屈の途中で腕ばかりを気にする時間が減りました。
ヨガ初心者向けの始め方でも、ポーズの完成度より無理なく続けることを重視しています。ブロックは、その考え方と相性が良い道具です。
私が便利だと感じたのは、前屈系のポーズです。床に手をつこうとすると背中が丸まり、太ももの裏より腰に意識が行っていました。ブロックを置くと、無理に下げなくていいので、呼吸がかなり楽になります。
高さは3段階で使い分ける
ヨガブロックは、置く向きによって高さを変えられます。一般的には、低い、中くらい、高いの3段階です。
使い分けの目安は次の通りです。
| 高さ | 向いている場面 | 感覚 |
|---|---|---|
| 高い | 床に手が届きにくい立ちポーズ | 体を倒しすぎず使える |
| 中くらい | 少し支えが欲しい前屈やねじり | 安定感と支えのバランスが良い |
| 低い | 座位や仰向けの補助 | 体を軽く預けやすい |
最初は高い向きで使って構いません。慣れてきたら中くらい、低い向きへ変えます。高さを下げることが上達というより、その日の体に合う位置を選ぶ感覚です。高いままで呼吸が整うなら、それがその日の正解です。
朝と夜でも体の硬さは違います。疲れている日は高め、体が温まっている日は低め。ブロックは、日によって変わる体に合わせるための調整幅になります。
立ちポーズで手を支える使い方
ヨガブロックが使いやすいのは、三角のポーズ、半月のポーズ、前屈、ランジ系のポーズなどです。手を床につく代わりにブロックへ置くことで、体を倒しすぎずに姿勢を保てます。
たとえば三角のポーズでは、下側の手をすねや床に無理につけるのではなく、足の外側に置いたブロックへ乗せます。そうすると上半身をねじる余裕を作りやすくなります。ブロックを遠くへ置くより、まず手が自然に届く位置から試します。
ランジでは、前足の両側にブロックを置くと、床へ手をつくより上半身を起こしやすくなります。背中が丸まりやすいと感じるときにも、位置を調整しやすい使い方です。
大切なのは、ブロックに体重を預けすぎないことです。支えとして使いながら、足裏や体幹でも姿勢を保ちます。ぐらつく場合は、高さを上げる、足幅を狭める、ポーズ自体を浅くするなど調整してください。
座る・寝るポーズで体を預ける使い方
ヨガブロックは、立ちポーズだけでなく、座位や仰向けのポーズでも使えます。
座る姿勢では、お尻の下にブロックを置くと座る位置を調整しやすくなります。床に直接座ると背中が丸まりやすい人は、少し高さを出すだけで姿勢を保ちやすくなることがあります。
仰向けでは、背中や仙骨の下に低い向きで置き、胸を開く補助として使う方法があります。ただし、首や腰に違和感がある場合は無理に行わないでください。高すぎる位置に置くと、リラックスどころか緊張が増えることがあります。
私は、座って前屈する前にお尻の下へブロックを置くのが好きです。床にそのまま座るより、骨盤が少し前に倒れやすくなり、背中を丸めて耐える感じが減ります。地味ですが、かなり実用的です。
素材とサイズの選び方
ヨガブロックの素材は、主にEVA樹脂、コルク、木製があります。
初心者が最初に選ぶなら、軽くて扱いやすいEVA樹脂が選びやすいです。比較的軽く、手や背中に当たったときの感触もやわらかめです。価格も比較的手頃で、持ち運びもしやすいです。
コルクは安定感があり、見た目も落ち着いています。少し重さがありますが、手を置いたときに沈みにくく、しっかり支えたい人に向いています。
木製は硬く、安定感がありますが、初心者が体を預けるには少し強く感じることがあります。見た目は美しいものの、最初の一つとしてはやや好みが分かれます。
サイズは標準的なもので十分です。小さすぎると手を置きにくく、大きすぎると扱いにくいです。最初は1個でも使えますが、両手を支える場面が多いなら2個セットが便利です。私は1個で始めて、ランジのたびに持ち替えるのが意外に面倒だと気づきました。
ヨガマットとの組み合わせ
ヨガブロックは、ヨガマットと一緒に使うと安定します。床に直接置いても使えますが、滑りやすい床ではブロックがずれることがあります。
マットが薄すぎると膝や座位で硬さを感じやすく、厚すぎるとブロックが沈んだりぐらついたりすることがあります。自宅用のマット選びは、ヨガマットの厚さは何mmがいい?も参考になります。
ブロックを使う場所は、マットの端ではなく、できるだけ安定した中央付近に置きます。立ちポーズで足の外側に置く場合も、手を置く前にぐらつかないか確認してください。
ヨガ道具は、増やしすぎると準備が面倒になります。マットとブロックを同じ場所に置いておくと、使うまでの流れがかなり楽です。
初心者がやりがちな失敗
初心者がやりがちなのは、ブロックを低く使いすぎることです。低いほうが本格的に見えるかもしれませんが、無理に低くすると背中が丸まり、呼吸も浅くなります。最初は高い向きで使ってください。
次に、ブロックを遠くへ置きすぎることです。手を伸ばしてやっと届く位置に置くと、肩や腰に余計な力が入ります。手を自然に置ける近さへ調整します。
また、ブロックに体重を一気に預けるのも避けたいです。特に立ちポーズでは、ブロックがずれると姿勢が崩れます。手を置く前に安定を確認し、少しずつ体重を乗せます。
最後に、「使ったら負け」と考えないことです。ヨガブロックはポーズを甘くする道具ではなく、今の体に合わせるための道具です。無理を減らすほど、呼吸や姿勢に意識を向けやすくなります。
まとめ
ヨガブロックは、床との距離を埋め、ポーズを無理なく調整するための補助道具です。床に手が届きにくいときや、座る姿勢で背中が丸まりやすいときにも使いやすい道具です。
初心者は、まず高い向きから使い、慣れてきたら中くらい、低い向きへ調整します。素材は軽く扱いやすいEVA樹脂、安定感を重視するならコルクが選びやすいです。
ヨガブロックを使うことは、ポーズを妥協することではありません。今の体に合う高さを作り、呼吸しやすい場所を探すことです。無理に床へ近づくより、ブロックを使って続けやすい位置を見つけるほうが、ヨガは生活に残ります。


